テニスは姿勢!初中級→中上級へレベルアップするために意識すべき「背筋ピン」5つの効果

操体サロンのアミケンです。

先日、地元のテニス大会(シングルス戦)で初優勝することができました。
30歳からテニススクールへ通いはじめて、7年目。念願の初タイトルです。

今回出場した大会は、同じテニススクールの中級~中上級の生徒さんを集めたカテゴリー。
これで今後は中上級~上級のカテゴリーにチャレンジできるようになりました。

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テニスは、レッスンだけでも楽しいですが、たまには大会に出て真剣勝負の試合をすると、自分の実力・上達度・課題がわかり、モチベーション維持に役立ちますね。

ちなみに私は、テニススクールに通いはじめた時は初中級クラスからスタート、現在は中上級クラスになって1年ちょっとというキャリアです。


レベルアップのコツは、「上手くなった」とコーチに思わせること

私の場合、初中級クラスの頃から、テニススクール主催の大会にはちょくちょくエントリーし、中級・中上級クラスの人とも五分五分の勝負ができてはいたのですが、担当コーチはなかなか上のレベルにあげてくれませんでした。

1発勝負でゲームに勝てるかよりも、コーチとしては「安定性」を重視していたからなんでしょうね。

そこで、私は上のクラスに進むために「いかに強くなるか」というより「いかに上達したように見せるか」を工夫してみることにしました。
いわゆるイメージ戦略です。

具体的には「上手っぽい」のフォームで打つこと……つまり「姿勢」を変えてみることにしたのです。


イメージしたのは「ジョコビッチのフォア」と「ツォンガのバックハンド」

「わ~、すごい猫背!」
……ある時、自分のプレーを動画でチェックした時の感想です。
確かに、このフォームで打ってる生徒を、コーチ的には上のレベルにあげようとは思わないだろうなぁ~と思ったのがキッカケでした。

そこで、WOWOWで放送してるグランドスラム大会をチェックし、参考になりそうなプレイヤーを探してみました。
今をときめく錦織圭選手は、大柄な外国人選手と闘うために、すごくダイナミックなプレーをしていて、凄すぎるのでパス。
ムリがなく、自然体で、マネできそう(マネしたい)と思ったのは、ジョコビッチ選手のフォアハンドと、ツォンガ選手のバックハンドでした。

ふたりとも、世界の一流プレイヤーなのでフォームが美しいのは当たり前なワケですが、ナダル選手のフォアハンドやフェデラー選手のバックハンドのように、「スーパーすぎるショット」じゃないところが、マネしやすそうで良いなぁ~と思った理由です。


とにかく、背筋を伸ばしてみた



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ジョコビッチ選手もツォンガ選手も、構え→ショット→フォロースルーまで、背筋がピンと伸びてるところが「上手そう」に見えるのかな~と思い、とにかく背筋を伸ばすことを意識してみました。
フォームを変えるのは、けっこう勇気がいることですが、意外にも効果はすぐに、そしていくつも出てきました。
あくまでも個人の経験と感想ですが、ご紹介します。


背筋ピン効果(1) / 力まなくなった

背筋をピンと伸ばそうとすると、背骨を引き上げるために、背中の筋肉「広背筋」を使うことになります。
この広背筋って、実は腹筋や胸筋よりもパワーがあるのです。
コーチから「ナイスショット!」とホメられるのは、「背中にためたパワーを、リリースして打つ」感覚でシュッっとカラダが動かせた時。逆にコーチから「手打ちになってます!」「力んでますね」と指摘されるのは、猫背になっている時……その法則に気づけました。


背筋ピン効果(2) / 動き出しがスムースになった

構えの時に、背筋を伸ばしていると、骨盤が後上方に引き上がり、カラダが自然と安定します。
すると足の動きだしがスムースなりました。
猫背の状態で構えていた時は、そもそもスプリットステップが不自然だったし、カラダ全体が硬直化していたと思います。
「力んでスタートダッシュする」のではなく、「スっと1歩目を行きたい方向にだす」のが簡単になりました。


背筋ピン効果(3) / フレームショットが減った

フレームショットの諸悪の根源は「焦り」といって過言ではありません。
前述のように、動き出しがスムースになると、精神的な余裕が生まれ、フレームショットを回避しやすくなります。

また、背筋を伸ばしていると、視野が広がり、視線もブレにくくなるというメリットも生まれます。
猫背の場合、スプリットステップの後に、いちど目の高さがガクンと落ちるので、その時にボールの軌道を捉える視線がブレるのだと思います。
背筋を伸ばすと、スプリットがコンパクトに(必要最低限に)なり、目線が安定し、目測が誤りにくくなるのです。


背筋ピン効果(4) / ポーチボレーしやすくなった

ダブルスの最大の魅力、ポーチボレー。バシっと決まると気分爽快ですね!
このポーチボレーも、背筋を伸ばしていると、大きくステップしなくても、ラケットを出せる範囲が広がります。

また、相手からすると「存在感が大きく感じる」ようになる効果もあります。
背筋を伸ばした状態で、左右に1歩ずつ小さなフェイントを入れてみると、中級~中上級レベルの相手には、かなりプレッシャーを仕掛けられますよ。


背筋ピン効果(5) / カラダが連動し、疲れにくくなった

広背筋を使って力まずに、シュッっとしたボールが打てるようになると、腕力&握力の消耗がへり、体力が長持ちするようになります。
特に握力。背筋を伸ばしていると、構えの時に利き手と逆の手で自然とラケットを支えられるようになります。

猫背の頃は、終始ギュ~っと利き手でラケットを握り続けるクセがあり、1時間ちょっとプレーしただけでも、マメができていましたが、それがなくなりました。
ラケットをギュっと握るのは、ボールをインパクトする瞬間だけ……ぐらいに思っておく方が、うまく広背筋を使ってショットできますし、特に小指を絞るように打つと、ピシっとボールにカラダ全体の力が伝わる感触があります。

イメージ的には、足先から指先までが、うまく連動して体を操れた時 = 力まずにナイスショットが打てる瞬間、という感じです。


広背筋の鍛え方:フライングバック・トレーニング

広背筋の鍛え方として、いちばんオススメなのは「フライングバック・トレーニング」です。
これは操体の先生でもある西本直トレーナーが考案した、器具を使わず、場所も選ばず、短時間でできる効率的な筋トレ方法です。

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具体的な手順については、こちらのNEWSPICKS記事をご覧ください。


そもそもテニスの初級・初中級・中級・中上級・上級クラスの違いって?

テニススクールに入る時に、「レベル分けテスト」というのがありますよね。
サーブを打ったり、コーチとラリーをしてみてレベル判定してもらうというやつです。

たぶんスクールによって判定基準はまちまちなんでしょうけど。
私の師事してるコーチによると、おおよそ下記の基準で判定してるとのことでした。

◆初級
まったくの初心者。
基本ルールやラケットを握るところからの状態。

◆初中級になるには…
山なりでも、ストロークラリーが5回~10回は続けられる。
サーブもとりあえず入れられる。
雁行陣で前衛のプレーができる。

◆中級になるには…
フォア&バックのストロークが安定して打てる。
トップスピン、スライスが使い分けられる。
ネット前のボレーが安定して打てる。
アプローチから平行陣でプレーできる。

◆中上級になるには…
サービスダッシュができる。
長い距離のボレーが安定して打てる。
ロブチェンジを交えて陣形をコントロールできる。

◆上級になるには…
未確認。
たぶんゲームプランがしっかり組めて、特定の弱点がなくなるレベルと思われます。


結果的に、背筋を伸ばしたら中上級にあがれたし、優勝もできた


本当に結果論なんですが、「スピンをかけよう」「強く打とう」「ミスしないようにしよう」と、理屈に走ったり、小手先のテクニックでごまかそうとしていた頃は、上達のスピードが遅く、「上手そうにプレーしてみよう」とイメージ先行&感覚優先で背筋を伸ばしてみたら、あとからメリットがついてきて、レベルアップできました……というのが、私のストーリーです。

自分のプレー動画を見てみるのは、良いキッカケになると思いますよ。
その後で、目指したいプレースタイルのプロ選手を探してみてください。
スーパーショットの瞬間よりも、普段の姿勢や走り方とかで、選ぶのがオススメです!

ちなみに、テニス愛好家で肘・膝・腰が痛みやすい人は、無理な姿勢(フォーム)が原因かもしれません。気をつけてくださいね。

以上、アミケンでした。


操体法とは / What is "SOTAI"?


操体(そうたい)は、気持ちよく身体を動かすことにより、筋肉の緊張をほどき、ボディバランスを正し、自律神経の働きを調整していく健康療法です。
私の曾祖父、橋本敬三(仙台の医師)が考案しました。
クスリや道具を使わず、刺激を与えず、副作用がないのも特徴です。

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この記事の筆者

鈴木健介(アミケン) / Kensuke Suzuki

1977年 大阪生まれ。編集者 & セラピストのパラレルキャリア。
厚生労働大臣認定 あん摩マッサージ指圧師 / 合同会社GX代表 / アミケン編集塾 塾長 / PRSJ認定PRプランナー / 日本指圧専門学校 61期卒 / 趣味:阿波おどり
操体法は 私の曾祖父、橋本敬三が考案した健康法です。
SOTAI is a movement therapy that was invented in Japan to heal your body naturally.

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