「節電」「エコ」「CO2 削減」はもう死語なの?Googleトレンドで調べてみた

操体サロンのアミケンです。

ここのところ猛暑の日々が続いていますが、「でんき予報」によると、電力使用率は80%~90%で安定してるそうです。

報道では「熱中症対策のために、エアコンを適度に使いましょう」とのアナウンスも流れていて、「節電!節電!」と呼びかけていた数年前とは風潮が変わりましたよね。

ちなみに、でんき予報のウェブサイトで供給電力の内訳をみると、火力が約6割(3,123万kW/4,987万kW)、再生可能エネルギー系の地熱・太陽光・風力の合計が0.04%(2万kW/4,987万kW)、原子力は停止中なので0%とのこと。

数年前は、地球温暖化をふせぐべく、CO2排出が大きい火力は減らしていこう!という流れでしたが、最近はそういう声をあまり聞かなくなった気がします。「節電」「エコ」というワードも、最近あまり話題に上がりません。もう死語になってしまったんでしょうか?? ちょっと気になったので、Googleトレンドで調べてみました。


「CO2 削減」話題のピークは2008年


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Googleトレンドによると、「CO2 削減」のピークは2008年。 2005年に京都議定書が発効され、「クール・ビズ」が定着した頃ですね。 当時は自民党の福田~麻生さんがの総理大臣だった時代です。 その後、民主党の鳩山さんが総理になっても「CO2 削減」は人気ワードでしたが、2010年6月に菅さんが総理になった頃から人気が下降していたことがわかりました。


「エコ」ブームは2007年~2010年。震災後に人気ダウン


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「CO2 削減」とともに流行語になったのが「エコ」。 「クール・ビズ」「エコバッグ」「家庭菜園」など、民間でできる環境に優しい行動に関する話題が多かったのも2007年~2010年頃でした。 しかし、2011年3月の震災発生から、世の中はそれどころじゃなくなってしまったこともあり、エコ関係の話題がすっかり少なくなり、2013年にはエコブーム前の状態に戻っています。エコブームのおかげで、ある程度エコ活動が定着し、落ち着いたという側面もありそうです。


「節電」ピークは震災直後の2011年5月。今年はほとんど話題にならず


「エコ」と関連深いイメージのある「節電」ですが、Googleトレンドによると、震災発生を境に全く状況が異なっていることがわかりました。

ピークだったのは2011年5月で、「この夏、原子力なしで乗り切れるのか?」という観点から節電が全国民的に議論されました。

なんとか2011年を乗り切り、さらに翌2012年の夏も乗り切ると、2013年から「節電」はあまり話題にのぼらなくなっています。

今年は、例年以上の猛暑により熱中症患者が急増したため「エアコンを適度に使いましょう」とアナウンスされるようにもなり、電力の心配をする気配はだいぶ減った気がしていましたが、Googleトレンドでもその傾向が確認できました。
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CO2排出量って、もう心配しなくていいの?


つい先日『電力会社のCO2排出量が2014年度に減少、再生可能エネルギーと火力発電の高効率化』という記事がITメディアで報道されました。

記事のタイトルだけ見ると、

・現在主力の火力発電でも、CO2は削減できる
・再生可能エネルギーが増えてきた

…のかな?と思えるのですが、本文を読むと、震災前と比べCO2排出量の減少幅は微々たるものであることがわかります。(記事中の"図2 電源別の発電電力量とCO2排出量"を見ると一目瞭然です)

2007年~2009年頃までは、CO2排出量は順調に減らせていたみたいですが、2011年以降は大幅に増えてしまっていたのですね。
2014年の記事ですが『日本のCO2排出量、13年度は過去最高 世界的にも増加が止まらない』という気になるニュースもありました。


流行語で終わらせず、たまに思い出して考えたい


今回Googleトレンドで調べてみて、実際にキーワードごとに大きな波があったんだということを実感しました。 「CO2 削減」「節電」「エコ」の3つを比較してみると、↓こんなかんじです。
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「エコ」に比べると「節電」の人気度は低く、「CO2 削減」はもっと低いということがわかりました。
そしていずれも、2011年3月の震災後のタイミングで大きくダウントレンドに入っていたということもわかりました。

日本では、ここ数年で政権が2回代わり、震災があり、エネルギー政策に対する考え方も以前より複雑になりました。

流行語のはやり・すたりがあるのは世の常ですが、「CO2削減」「地球温暖化」というトピックは、もっと長いスパンで、全地球的な課題であることは変わりませんよね。 その時々の風潮で、話題にしやすい・しにくいコトはありますが、エアコンのよく効いた室内で涼んでいる時にこそ、ふと「そういえば……」って思いだしてみるのもいかがでしょうか。

この記事の筆者

鈴木健介(アミケン) / Kensuke Suzuki

1977年 大阪生まれ。編集者 & セラピストのパラレルキャリア。
厚生労働大臣認定 あん摩マッサージ指圧師 / 合同会社GX代表 / アミケン編集塾 塾長 / PRSJ認定PRプランナー / 日本指圧専門学校 61期卒 / 趣味:阿波おどり
操体法は 私の曾祖父、橋本敬三が考案した健康法です。
SOTAI is a movement therapy that was invented in Japan to heal your body naturally.

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