操体とは?…を学ぶのにオススメの本7選

操体のことを、これから知ろう・学ぼうという方は「どの本を読めばいいの?」と考えることかと思います。

操体関連の書籍は非常にたくさん出版されているのですが、その中でも特におさえておくべき「バイブル」的な本から、芸能人がスタイルBOOK(ライフスタイル本)の一部として操体を紹介している事例まで、色んなタイプがありますので、まずは興味のあるジャンルから手に取ってみてもらえればと思います。

今回ご紹介する本の中には、約40年前に出版された本もありますし、非常に簡略化して操体を説明している本もあるので、専門家の人から見ると「あの記述は間違ってる」「あの記述は古い」といったツッコミはあるかと思いますが、そういうのは一旦脇においといて、初心者の人が操体を学ぶファースト・ステップの参考としていただければ幸いです。


『万病を治せる妙療法 操体法』




操体の考案者である橋本敬三氏の著書であり、いわゆる「操体のバイブル」的な一冊です。
もともとは農文協(農山漁村文化協会)が発行する月刊誌『現代農業』に連載していた健康コラムなどを編集して出版された本であり、書き下ろしではないのですが、操体の原理と理念、基本的な"型"、からだの動かし方、操体療法の実際、写真図解……といったおさえるべきポイントが一通り収録されています。



まえがきの冒頭を引用します

操体法で健康に ---まえがきにかえて

まず一番先に頭に入れていただきたいことは、大自然の原理として人間は誰でも健康で幸福に一生を送れるように、チャンと設計されているのだ、ということです。もしそうでなかったら、病気になったら治る見込みはないわけです。治るということは元に戻ることです。設計通りの元の体に戻ればいい。操体とはカラダをうまく動かして元のようにすることです。体操とは意味が違います。


その他、橋本敬三氏の著書には「からだの設計にミスはない」「誰にもわかる操体の医学」などがありますが、いずれもどこかのメディアに寄稿していたものを編集して作られています。それゆえ「万病を治せる~」と重複する箇所も多いので、最初の1冊としては本書を読めば間違いないと思います。
1回より2回、3回……と繰り返し読むごとに、新たな発見に出会える非常に面白い1冊です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4540043528



『イラスト版からだのつかい方ととのえ方: 子どもとマスターする42の操体法』





合同出版社の『イラスト版○○○』『イラストでわかる○○○』シリーズのひとつとして出版された、操体法の解説書です。
この本は、子どものいる一般家庭、あるいは子どもと接しながら大人も操体の健康法を学び、日常生活に取り入れていくための「わかりやすさ」を優先したつくりになっています。
そのため施術療法としての記述は少な目で、健康体操、健康運動としてセルフケアを行う方法の記述がメインになっているのが特徴です。


まえがきの一部を引用します

この本では、毎日あたり前のようにくり返しおこなわれている普段の動作が、体調をよくも悪くも変化させていることに注目し、いつの間にか忘れられている「動物的な感覚」を持って生きることの大切さを強調しました。 本書で、子どもと家族を見つめ、快適な生活をおくるコツをつかみ。健康で毎日楽しく元気に生活できるよう、多くのみなさまのお役にたてたらと願っています。

著者は、橋本敬三氏の孫で、全国操体の会代表であり、医学博士・スポーツドクターの橋本雄二氏監修、温古堂代表の橋本千春先生、稲田稔先生らが協力して制作されました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4772612505



『1回5分 体が喜ぶ健康術』





Jリーグ球団サンフレッチェ広島、ヴィッセル神戸、川崎フロンターレなどでトレーナー・フィジカルコーチとして活躍した西本直氏の著書です。
西本氏は『朝3分の寝たまま操体法』の著者でもあります。本書『1回5分~』では「操体」というワードは後書きにしか登場しませんが、これは西本氏が操体法を学ばれてから30年間以上、多くの施術・トレーニング経験を通して体系化された独自の理論/技術をなるべく専門用語を使わず、わかりやすく説明しようとしたためのようです。プロ漫画家えだお氏による軽妙なマンガと、西本氏の文章による解説で構成されていて、若い人が手に取りやすく、読み進めやすい一冊です。



私も西本氏が主催する「西本塾」には第6期生として参加させていただきました。わずか2日間の短期集中講座でしたが、そこでは本書にも登場する「からだほわっと」をはじめ、自分の体と対話しながら「自分で自分の体を整える方法」、さらに「屈筋ではなく伸筋優位」なフィジカルをつくる広背筋を鍛える「フライング・バックトレーニング」、「体作りから動き作りへ」という西本氏の理念を凝縮した「オクタント・トレーニング」などを濃密な時間の中で体験させてもらいました。
トレーナーとしてトップアスリートを相手に対峙してきた豊富なご経験と、それをベースに構築された深いメソッドに触れ、操体の考え方をフィジカル面でこれほど進化された西本氏の理論、そして信念と情熱に私も大きな影響を受けました。
学べば学ぶほど深い「西本理論」ですが、本書では非常にわかりやすく、シンプルにかみ砕いて解説されています。マンガに登場する「ガンジイ」は西本氏のキャラクターを絶妙に表現していると思います(笑)
http://www.amazon.co.jp/dp/4861070651



『小雪 美の養生訓: 女性として心とカラダに向き合った5年間の記録』





女優・小雪さんの美しさの秘密は「健やかさ」にあるという観点から、小雪流の様々なカラダと心のケア方法が紹介されているライフスタイル本です。
韓国での出産体験、薬膳料理、フィトテラピー、フェミニンドリンク、女性誌『Precious』のビューティ・ディレクター五十嵐享子さんとの対談とともに、「操体」も紹介されています。



(P.120より引用)
私は、妊娠中、川上文子先生に「操体」を教えていただき、それを今も続けている。「自分の力でバランスを回復し、もともとのよいカラダに戻る」というゆるやかな体操で、無理に動かさなければならないというよりは、気持ちがいいと思う範囲内で心身を解放していく。コリがあるところなど体内の声に耳を傾けながら、自分のカラダがよろこぶ方向を優先にして動くのが「操体」だ。




本書にはフォトグラファー・KEI OGATA氏、浅井広美氏による美しい写真も多数収録され、小雪さんの美しさの秘訣をビジュアルからも十分に楽しめる一冊になっています。
まったくの余談ですが、小雪さんは1976年生まれの同年代(同級世代)ということで、とても親近感を感じています(笑)
http://www.amazon.co.jp/dp/4091037763


『生体の歪みを正す―橋本敬三論想集』


操体の考案者・橋本敬三氏の半世紀にわたる、論文随想を1冊に収めた全文集です。 外科医であり、東洋医療の研究家でもあった橋本敬三氏は、人生をかけて生体の基礎構造と運動系のメカニズムを探求し、生活の自然法則との相関、健康と疾病の根源を追求すべく試行錯誤を繰り返しました。 そして、その理念・理論を医学界を中心に世に訴え続けました。しかし、その主張はなかなか周囲の理解を得られず長きにわたって苦悩の時を送りました。当時は家族でさえも、敬三氏の思想に寄り添うことができませんでした。
70歳の時(昭和42年)には、心折れ【遺言】というタイトルの寄稿を、また74歳の時(昭和46年)には【何の医の倫理ぞや -日本医学会総会の白昼夢-】という寄稿を『日本医事新報』にしています。
(P.327より引用) 環境に適応性を得させる個人の生きる営みの自然法則に医学者の眼を向けさせよ。 よく生きるための自然法則への畏敬探求なくして何の医の倫理ぞや。医学会の責任指導者の奮起を望む。医師はこれら自然法則に習熟してよきコンサルタントたれ。

その他【山寺の晩鐘】(昭和50年)、【医者として五十余年 治療など下の下と思うに至るまで】(昭和52年)などなど……橋本敬三氏の想いが体系的に収録された1冊です。

そして1976年(昭和51年)、橋本敬三氏はNHKによる特番ドキュメンタリーが放送されたことで全国的な脚光を浴び、79歳にして一躍「操体の父」として注目を浴びることになります。人生とはなんと数奇なことでしょう。
その結果、私の祖母(敬三の長女)、そして母が操体に理解を示し、受け継いでくれたおかげで、私はいまこうして操体サロンを営んでいます。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00VAYF4MY


外国語(英語/スペイン語)で操体を学ぶ・伝える

操体は「SOTAI」という名前で外国にも既に伝わり、多くのセラピストが学び、現場で活用されています。 よって、教科書として翻訳された本がいくつか出版されています。

英語版で最も有名なのは『Sotai Natural Exercise』という黄色い表紙のペーパーバックでしょう。 橋本敬三氏の『万病を治せる~』をベースに、操体の基本原理、そして施術法がひと通り紹介されています。 ただし、こちらは日本における操体の本部である温古堂が公式に翻訳を許可した本ではありませんのでご注意あれ。 http://www.amazon.co.jp/dp/0918860334







スペイン語版として現在最もメジャーなのは、小野田茂氏の著書『EL ALMA DEL SOTAI』です。
小野田氏は、日本指圧専門学校を卒業後、1984年指圧普及のため、スペインのマドリードに渡り指圧治療院を開設。1990年にはスペイン指圧協会を立ち上げ、1994年に日西指圧学院を開設された浪越指圧のスペシャリストです。操体にも見識が深く、2008年に本著を発表されました。氏の門下生たちはスペイン操体協会(Asociación Española de Sotai-Ho)を現在も運営し、スペイン、ポルトガル、イタリアなどヨーロッパでの操体普及に尽力されています。

私も2011年よりスペイン操体協会と関わるようになり、その後2013年マラガ、2015年リスボン(ポルトガル)2016年マドリードでの操体国際会議に講師陣の一人として参加させてもらっています。
http://www.amazon.co.jp/dp/849827124X


まとめ

「操体とは?…を学ぶのにオススメの本7選」を紹介させてもらいました。 ご参考にしていただければ幸いです。

他にも操体関係の本は、実はたくさん出版されています。
小雪さんのように、芸能人のスタイルブックの一部として紹介されているものや、「操体」という言葉は使わないまま、「自分でできるセルフケア健康法」として紹介されている本もありますし、「フェルデンクライス」「ヨガ」「真向法体操」「野口整体」「PNF」と比較するように操体法が紹介されていることもあります。
どれが正しい/正しくない、良い/悪い……ということではなく、ひとつのメソッドとして、あるいは「善く生きるヒント」として操体に触れるキッカケにしてもらえたらと思います。

以上、操体サロンのアミケンでした!

この記事の筆者

鈴木健介(アミケン) / Kensuke Suzuki

1977年 大阪生まれ。編集者 & セラピストのパラレルキャリア。
合同会社GX代表 / オウンドメディア勉強会幹事 / PRSJ認定PRプランナー / 趣味:阿波おどり
操体法は 私の曾祖父、橋本敬三が考案した健康法です。
SOTAI is a movement therapy that was invented in Japan to heal your body naturally.

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