未病のために払うべきコストは?データで見る「健康投資」の損得勘定
以前このブログで、「健康って『形状記憶』みたいなものかも」というお話をしました。人間の身体には、良くも悪くも元の状態をキープしようとする性質があります。だからこそ、日頃から「良い状態」を身体に記憶させておくことが大切なんだ、という内容でした。
今回はその話を一歩進めて、少し現実的な「お金と時間(コスト)」のデータを交えながら、私たちが健康にどう投資すべきかを考えてみたいと思います。
世間ではNISAをはじめとする「資産運用」が大ブームですが、実はそれと同じくらい、あるいはそれ以上に利回りが良いのが「健康への投資」なんです。
1. 「未病」のグラデーションを見える化する
みなさんは「未病(みびょう)」という言葉をご存知でしょうか。
東洋医学の言葉ですが、私たちは「元気な状態」からある日突然「病気」になるわけではありません。その間には、グラデーションのような連続的な変化があります。
【 健康 >> なんとなく不調(未病) >> 病気 】
大事なのは、自分が今そのグラデーションのどこにいるのかを「見える化」することです。
最近は20代以下の若い世代でも、スマホの歩数計や睡眠アプリ、体重計などで8割以上の人が何らかの健康データを確認していると言われています。若いうちから、あるいは「まだ痛みが酷くない」うちから自分の状態を客観的に把握することは、未来の自分を守るための最強の武器になります。
2. 健康は利回りの良い「最大の資産」である
ここで少しリアルなデータを見てみましょう。厚生労働省などの医療費データによると、年齢ごとの年間医科診療代(医療費)の目安は以下のようになっています。
・29歳以下:約1.6万円
・60代:約5.0万円(若年層の3倍以上)
年齢を重ねるごとに医療費が跳ね上がるのは想像がつきますが、本当に恐ろしいのは医療費そのものだけではありません。
病気や大怪我を患うと、「働くことができず、収入源が減る・途絶える」という最大の経済的リスクに直結します。
資産運用に関心を持つ人が増えていますが(ある調査では約69.4%)、健康への関心もほぼ同等(約67.4%)というデータがあります。将来の豊かな生活のために資産を育てるように、健康な身体という「最大の資産」を今からメンテナンスしておくことは、最も賢いライフプランニングなのです。
3. プロの指導で「形状記憶」をリセットする
ここで、冒頭でお話しした「形状記憶」の話に戻ります。
身体には元の状態に戻ろうとする力がありますが、日々のデスクワークやストレスで骨格や筋肉が歪んだまま固まってしまうと、身体はその「悪い状態」を正しいものだと誤って形状記憶してしまいます。
そして残念なことに、自分一人ではその「筋肉の張り」や「可動域の狭まり」といった深刻なサインに気づけないことが多々あります。
そこで活用していただきたいのが、私たち指圧院の国家資格保有者や、スポーツジムのトレーナーといった「プロの目」です。定期的にプロの施術や指導を受けることは、間違って記憶されかけた身体の歪みを正しい位置に戻す「リセットボタン」の役割を果たします。これが、将来の大きな故障(大病やギックリ腰など)を防ぐコストになるのです。
4. セルフケアの体得が、将来のコストを最小化する
「じゃあ、ずっとプロに頼り続けなければいけないの?」というと、そうではありません。最も費用対効果が高いのは、「プロの指導」と「セルフケア」の組み合わせです。
当院では、指圧の施術だけでなく、自宅でできる操体法(SOTAI)によるセルフケア法もお伝えしています。
操体法は、自分の身体の感覚を味わい、気持ちのいい方向に動かすことで不調を自ら整える優れたアプローチです。これを体得すると、日々の「セルフ形状記憶」が可能になります。
自分で不調の初期サインに気づき、その日のうちにケアできるようになれば、将来支払うはずだった膨大な医療費やケアコストを劇的に節約することができます。
まとめ:本当にコストをかけるべきは「あなた自身」
健康は、70代、80代になっても元気に動き、経済的・精神的に自立して生きるための土台です。それだけでなく、大好きな旅行や趣味、大切な人との時間を心から楽しむための「QOL(生活の質)」そのものです。100歳まで生きることが珍しくない時代、いかに「健康寿命」を延ばせるかが勝負になります。
新株や投資信託に資金を回すのも素敵なことですが、本当にコスト(お金と時間)をかけるべき最強の投資先は、他ならぬ「あなた自身の身体」です。
「ちょっと最近疲れているな」「身体の形状記憶が狂ってきたかも」と感じたら、手遅れになる前に、ぜひプロの知恵を借りに来てください。早めの投資が、結果としてあなたの未来を一番豊かにしてくれます。
<参照>
▼未病指標(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000572154.pdf
▼健康に関する意識と実態調査 2024(ハルメク)
https://www.halmek-holdings.co.jp/news/insights/2025/zdae6rb2mbvq/
▼健康に関する意識調査(オカネコ)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000124.000038217.html
▼健康にかけるお金(大樹生命 健康コラム)
https://www.taiju-life.co.jp/joyful/health/044/
この記事の筆者
鈴木健介(アミケン) / Kensuke Suzuki
1977年 大阪生まれ。編集者 & セラピストのパラレルキャリア。
厚生労働大臣認定 あん摩マッサージ指圧師 / 合同会社GX代表 / アミケン編集塾 塾長 / PRSJ認定PRプランナー / 日本指圧専門学校 61期卒 / 趣味:阿波おどり
操体法は 私の曾祖父、橋本敬三が創案した健康法です。
SOTAI is a movement therapy that was invented in Japan to heal your body naturally.
